最初にハッキリ書いておきたいのは、これは特定の国籍や人種そのものを否定する文章ではないということだ。
西洋の友人も何人もいるし、彼らと過ごす時間は楽しいし学びも多い。ここで書きたいのは、パタヤという特殊な場所で目立つ「一部のファランの行動」について、自分が感じていることのメモだ。
日本人として、そしてアジアで長く過ごしている一人の男として、「こういう振る舞いをされると正直きつい」という本音を書いておきたいだけであって、誰かを一括りにして見下したいわけではない。
ただ、もし同じようにモヤモヤしている人がいるなら、「ああ、そう感じているのは自分だけじゃないんだ」と思ってもらえたら嬉しい。
自由すぎるという名の「何も気にしない」
パタヤに来て「ここ、なんて自由なんだ」と感じた日本人はかなり多いと思う。
ビーチ、酒、女の子、音楽、遅い時間までネオンが光っていて、良くも悪くも何でもアリな空気がある。
しかし、タイ語ができて、タイ人コミュニティの中にも出入りしている人ならわかると思うが、タイ社会には「ここはきちんと礼儀を守ったほうがいい」という場面もかなり多い。
ところが、一部のファランを見ていると、この「線引き」がまったく存在しないように見えることがある。
公衆の面前でベタベタにイチャつこうが、周囲に子どもがいようが、タイ人がちょっと引いた顔をしていようが、全く気にしていない。タイ社会では、人前での過度なスキンシップはあまり好まれないとされているが、その辺のローカルルールはお構いなしだ。(パタヤは特殊なのであんまり気にされていないのもあるが)
そして、その「何も気にしない」スタンスは、ナイトライフだけでなく日常の場面にも顔を出す。
列に並ぶとき、バイクの運転、スタッフへの話し方
とにかく「自分のペースを絶対に崩さない」という意味での自由さが、周りから見るとかなり目立つのかもしれない。
道路を見ていると、タイ人にも猛スピードで走る人はいる。
ただ、体感として「タイ人はスピード狂」「ファランは暴走」という、似ているようで違う印象を受けることが多い。スピード自体よりも、「周りの状況を見ているか」「他人の存在を前提に運転しているか」の違いだ。MTバイクをブンブン吹かしている人もファランが多い印象。
イミグレーションでも同じだ。
番号札を渡されて「呼ぶまで座って待って」と言われているのに、延々と窓口で質問し続けて列を止めてしまうのは、だいたいファランだと感じる場面が多い。職員が「座って」とジェスチャーしても、ずっとしゃべり続けている。本人からすれば「疑問をちゃんと確認しているだけ」なのかもしれないが、後ろにいる人間からするとただの迷惑でしかない。
女の子への「しつこさ」と距離感の違い
ナイトライフの現場で特に気になるのは、女の子への「ねちっこさ」だ。
バービアやゴーゴーで、女の子が明らかに困っているのに、肩を掴んで離さなかったり、何度も何度も同じことをしつこく言ったりする光景をよく目にする。見ているこっちが気まずくなるレベルで食い下がっていることもある。値切りも結構ねちっこい印象。払う人はめっちゃ払うけど。
これは中年ファランに多いのか、若い世代にも広がっているのかは正直わからない。
ただ共通して感じるのは、「本人は自分がしつこいことに気づいていないんじゃないか?」ということだ。本人の感覚では「情熱的にアプローチしている」くらいのノリなのかもしれないが、店内の空気が固まり、女の子の笑顔がどんどん引きつっていく様子を見ると、客観的にはただのハラスメントに近い。
もちろん、女の子側も商売として接しているし、単純に文化の違いだけでは片付けられないグレーゾーンもある。
ただ、それを踏まえても、「相手が嫌がっているサイン」を拾おうとしない姿勢にはある意味で感心する。
一番モヤモヤするのは「アジア差別」
自分が一番引っかかっているのは、態度の悪さそのものよりも、その裏に見える「アジアを下に見ている空気」だ。
スタッフに対して明らかに上から目線で話したり、きつい物言いをしたりする場面があると、「じゃあそもそもアジアに来なきゃいいのに」と思ってしまう。
タイや他のアジアの国は、決して「何をしてもいいテーマパーク」ではない。
そこには生活している人がいて、ルールやマナー、暗黙の了解がある。その土地を楽しみに来るのは自由だが、「自分の価値観だけを持ち込んで、現地の人や他の旅行者を見下す」のは、単なる旅人ではなく迷惑な侵入者になってしまう。
だからこそ、「アジアが好きだから来ている」のか、「安くてなんでも許される場所だと思っているだけ」なのか、その違いは行動に出ると思っている。
前者なら、多少の失敗はあっても学ぼうとする姿勢があるし、後者はいつまで経っても周囲へのリスペクトが生まれない。
それでも一括りにはしたくないからこそ書いておく
ここまで書いておいてなんだが、当然ながら「すべてのファランがこうだ」と言うつもりはない。もちろんそんなわけはない。
礼儀正しくて、チップの渡し方もスマートで、タイ人からも日本人からも好かれているファランもたくさん見てきた。むしろ、そういう人たちと一緒にいると、「西洋の人=マナーが悪い」という雑なイメージは簡単に壊れる。
ただ、街中やナイトスポットで強烈に目立つのは、どうしてもタチの悪いほうだ。
人は刺激の強いものを記憶しやすいから、「またかよ、ファランかよ」と思ってしまう瞬間が増える。そのたびに、「一部の行動のせいで、真面目な人たちまで同じ目で見られてしまうのは不幸だな」と感じる。
だからこそ、この文章は「ファランそのものへのヘイト」ではなく、「パタヤで目につく一部の行動への違和感」として残しておきたい。
そして同時に、自分自身も「日本人だから」「アジア人だから」と甘えることなく、現地の文化や人に対して、ちゃんとリスペクトを持って行動しなければいけないと、自戒を込めて書いておく。
最近はパタヤの子からもっとしっかりしろと怒られたばかりだからね。













