バンセーンビーチの水かけに行くことになった。
行ったこともないし、今後行く機会もなさそうだったので即座に了承。
ワクワクが止まらない。ワクワク。
パタヤから片道1時間ちょっと。
Pさんが車と大量の水を用意してくれた。
Pさんに加え、俺、Nちゃん、そしてNちゃんの友達Wちゃんの4人で出発だ。
ピックアップトラックの荷台に乗ることになったが、タイではこれが普通らしい。
きっと合法なんだろう。たぶん。
水かけ祭りに初めて真剣に参加してみたが、これがまた凄まじい。
ビーチを目指して車を走らせるものの、全然動かない。
みんなが道端で水を掛けまくっているせいで、まるでカタツムリの方が早いんじゃないかと思うほどだ。
ピックアップトラックの荷台には大きな樽に満杯の水があり、それをみんなで掛け合いながら進む。
すり抜けていくバイクにも容赦なく水を浴びせる。
さらに、謎の泥を顔中に塗りたくる風習があった。
ほっぺたにちょっと塗る程度から、顔をぐちゃぐちゃにするまで、ノリ次第でどれだけ汚すかが決まる。
とにかく水と泥をバッシャバッシャ掛けまくり、無邪気に楽しんだ。
道路わきでは水鉄砲や食べ物が売られていて、腹ごしらえしながら進む。
みんなお酒を飲みまくっていた。夜になるほど祭りの激しさが増していくのを感じた。
ところが急に、Nちゃんが不機嫌になった。
どうやら、俺が女の子の顔にばかり泥を塗っているのが気に入らないらしい。
「女の子とばかり遊んでるね」と言われた。
いやいや、君も男の顔に泥を塗ってるだろう、俺はただ仕掛けられたからお返ししてるだけだ、と言いたかったが、面倒なのでスルーした。
これは「もっと構ってほしい」というサインだと判断して、すぐに構うことにした。
いつもなら無言の冷戦が始まるところだが、今回は何とか大丈夫だった。
やっぱり楽しいんだな。
Nちゃんの笑顔を見れて、俺も安心した。
続く。