深夜便でスワンナプーム空港に到着し、朝までバスを待ってパタヤに向かうつもりだった。
ところが、この話をNちゃんにしたら
「だったらバンコクで遊ぼうよ。ついでに私は整形する」と言われ、彼女がホテルを取ってくれた。
そんなわけで、夜中に再会。
久しぶりに会ったNちゃんの顔は整形直後でパンパンに腫れていたけど、毎日ビデオ通話をしていたおかげで、久しぶりという感覚は不思議とあまりなかった。
ビデオ通話って、本当に遠距離恋愛を支えるんだなと実感。
そして、Nちゃんが唐突に「なんで私が4日間も電話しなかったか、わかる?」と切り出してきた。
俺は、「なぜ?」と尋ねた。
なんとマレーシアで客と殴り合いの喧嘩をしていたという。
ちなみに、その人はNちゃんの太客。マ〇ィアだった。
俺とNちゃんの写真をみたことが喧嘩のきっかけだ。
このマ〇ィアが殴りかかってきたそうだ。
「彼はとても嫉妬する。いつもそうだ。」
Nちゃんはそう言った。
そして、喧嘩直後の写真を見せてもらうと、顔がボコボコに腫れて、まるで岩石のようだった。
顔中が内出血で真っ赤に腫れ上がっていた。
マレーシアで不法就労している身だ。
警察に見つかれば、留置所に3か月入れられる。
それに加えて、異国の地のマ〇ィアと殴り合いをするなんて…もっと危ない目にあったらどうするんだ。
だが先に殴ったのはマフィアの男の方だ。
謝るために、Nちゃんを追っかけて、マレーシアからパタヤのコンドミニアムまで来た。
しかしNちゃんはもちろんご立腹で、自分の部屋に入ることを許可しなかった。
ん?なんでNちゃんの住所を知っているんだ?
不思議に思い尋ねると、「彼は昔、ここに来たことがある。」
そう言われた。
その瞬間、俺の脳裏にある疑念がよぎる。
もしかして、その殴った相手はNちゃんのマレーシアでの彼氏だったんじゃないのか?
あるいは、色恋営業をしていたのか?
実際、そのマ〇ィアはNちゃんにかなりのお金を注ぎ込んでいたらしい。
彼は、俺とNちゃんがパタヤで一緒にいる間、何度も電話をかけてきていた。
1日7回は電話をする。ビデオ通話だ。
俺がそばにいることに気づかせないよう、Nちゃんは慎重に電話に出ていた。
Nちゃんは「彼に大金がなかったら、とっくにブロックしている!!!」
と、電話を終えるたびに言っていた。
実際はどのくらい仲がいいんだろうか?
まず、彼はマレーシアから、パタヤのNちゃんのコンドミニアムに来たことがある。
一緒に寝たんじゃないか。
大金を払って寝ないなんてあるのか?
残念ながら、確固たる証拠はない。
もしタイに彼女がいる人がこれを読んでいるなら、こうしたことが裏で行われているかもしれない。
もちろん、俺もいつか同じことをされるかもしれない。
まあそんなことは気にしないでおこう。
もやもやするが、この子は無事だった。それでいい。
そう思って就寝した。
翌日はバンコクをぶらぶら。タンブンをして、パタヤへ戻った。
場所はここ。
タンブンとは、タイで広く行われている仏教行事で、功徳を積むために行う善行を指す。
寺院に寄付をしたり、食べ物を僧侶に捧げたりすることで、現世や来世での幸運を願う。
タイ人にとって、タンブンは生活の一部であり、大切な文化的行事だ。
今回はNちゃんと一緒に、寺院で僧侶にお供え物をして、心が洗われるようなひとときを過ごした。
その後、二人でパタヤへ戻り、また穏やかな日常に戻った。
いや、穏やかじゃないな。ここから何度も喧嘩することになる。
続く。